うどんや峠と五合目

北御所登山道の五合目は、清水平から初めて尾根道となる場所であり、空木岳など、中央アルプスの峰々が見える眺望の良い場所でもあります。大正時代には登山者の休み処でした。その頃は、山岳地帯をガイドできる人が少なく、里山は、そこに生活していた樵(きこり)や山師が案内をしていました。そして、五合目は、山岳地帯のガイドと里山のガイドが、お客の引き継ぎをしていた場所でもあったのです。そこのナナカマドの老木に、矢立で「お休み処、ちょっと一杯ウドン・ソバあります」と落書きされていました。当時は地名表示の看板などなかったので、ガイド同士が打ち合わせの中で「五合目の尾根で何時頃…五合目とは…それそれうどんそばの落書きがある所よ…」と話していたところからうどん坂の名が付けられました。

その後、伊勢滝林道が開通し、林道から五合目の尾根に登る急坂が開かれ、昔の謂れを知らない人が、うどんのようにくねくねとした急坂だからと、うどん坂と勝手に呼ぶようになったのです。

うどんや峠
うどんや峠

五合目
五合目